子どもが嘘をつく3つの理由とは?子どもの嘘との向き合い方や注意点を解説
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小さな子どもをもつお父様やお母様であれば、自分の子どもが嘘をついたときには少なからずショックを受けるものです。いままでは素直になんでも正直に話してくれていたのに、急に隠しごとをしたり嘘をついたりするようになると、自分が育て方を間違えてしまったのではないかと不安になるのも無理はありません。しかし子どもの健全な成長を助けるためにも、嘘をついてしまう理由についてよく理解することが非常に重要です。また子どもが嘘をついたときの適切な接し方も知っておくとよいでしょう。本記事では、子どもが嘘をつく理由と対処法についてご紹介します。
子どもが嘘をついてしまう代表的な理由は3つ
なぜ子どもは嘘をついてしまうのでしょうか。もちろんいろいろな理由がありますが、もっともわかりやすいのは「自分の過ちや失敗を隠そうとする」ものです。たとえば花瓶を割ってしまった、テストでよくない点数をとってしまったといったケースでは、嘘をついて事実をごまかそうとしたり隠そうとしたりします。
また、子どもが嘘をついてしまう別の理由は、「願望が強すぎる」という点です。たとえば、ディズニーランドに行きたい子どもがいるとします。そんなときお母様が「今度の夏休みにディズニーランドに行けたらいいわね」というと、子どもは行きたいという願望が強すぎて友達に「今度ディズニーランドに行くの」といった嘘をついてしまうことがあるのです。
さらに子どもが嘘をつく別の理由があります。それはご両親の注意を引きたいというものです。いまでは共働きの世帯も非常に多くなってきたため、子どもが親御さんから注目されたいと思って嘘をついてしまうケースは少なくありません。
子どもが平気で嘘をつくようになる要因のひとつは環境
子どもは、必要がなければ嘘をつきません。子どもが嘘をつくようになる1つの要因には、育った環境があります。たとえば親御さんが厳しく子どもを管理している場合には、その管理から逃げ出そうとして嘘をつくことがあります。さらに成果があったときのみ、親御さんが子どもを褒めているというケースもあります。子どもは成果がなければ褒められない、叱られてしまうと思い、褒められるために嘘をつくかもしれません。
これは自尊心が欠如している子どもにもいえることです。叱られると自尊心が傷つけられてしまうため、自分を守るために嘘をつかざるを得なくなります。しかしこれらとはまったく別のパターンも存在します。子どもが嘘によって親をコントロールしているケースでは、子どもは自分の望む結果を得ようとして嘘を上手に使うのです。
嘘をつくことは成長の証でもある
ただし子どもが嘘をつくようになったということは、その子どもが成長している証でもあります。小さい頃は、どんなことでも正直に話していたかもしれません。しかし4歳くらいになると、記憶力が向上し、想像力もたくましくなっていきます。イギリスのシェフィールド大学で教鞭をとるエレーナ・ホイッカ博士の研究によると、嘘が上手な子どもは記憶力がよく、矛盾のないストーリーを組み立てる能力に長けているとのことです。さらに嘘をつかないと怒られてしまうと感じたり、どうすればバレずに嘘をつけるかを考えたりするには知恵が必要になります。
もちろん嘘自体はよくないことですが、嘘をつくようになったということはこうした能力が向上している1つの証拠といえるでしょう。ですから子どもが嘘をつくようになったからといって、悪い子になってしまったと感じることがないようにする必要があるのです。
嘘をつかれたときの対処方法は厳しく叱らず冷静に受け止めること
子どもが嘘をついたとき非常に重要になるのが、お父様やお母様の対処法です。もっとも重要なのは冷静になることです。子どもが嘘をつくとすぐに叱ってしまいたくなるかもしれませんが、少し気を落ち着けることでよりよい対処ができます。
次に子どもが嘘をついた目的を見極めます。怒られたくない、恥ずかしい、不安などいろいろな理由が考えられます。子どもが嘘をついてしまった目的がわかったなら、それに合わせて対処法を講じます。子どもが不安を抱えているのであれば安心させてあげることが必要かもしれませんし、怒られたくないと感じているのであれば優しく正してあげたほうがいいかもしれません。とくに嘘をつくのが悪いということだけでなく、正直であることにどれほどのメリットがあるのかをしっかり教えてあげると、嘘をつきたいという誘惑から子どもを守れるでしょう。
見逃してよい嘘と注意する嘘との見分け方
子どもがつく嘘はたくさんありますが、見逃してもよい嘘とそうでない嘘とがあります。見逃してもよい嘘の代表例は空想のなかの嘘、こうなって欲しいという願望が高じた嘘です。たとえばぬいぐるみがしゃべった、空を飛んだことがあるなどは子どもの可愛らしい嘘の一例です。幼い子どもは現実と空想の区別がつきにくいので、本人に自覚がないままこのような嘘をつくことがあります。成長するにつれて現実と空想の区別がつくようになれば、自然にこうした嘘はつかなくなるものです。
一方で注意すべき嘘があります。たとえば叱られないため、罰を逃れたいがためにつく嘘です。これは本人にも嘘をついているという自覚があり、明らかに人をだまそうとしてついている嘘です。さらに人に認められたい、称賛されたいという気持ちから出る嘘にも注意しましょう。一度嘘が成功すると、嘘を重ねるようになってしまう恐れがあるからです。
子どもの嘘に対する親のNG行動は「嘘つき」呼ばわりすることと謝罪の強要
子どもが嘘をついてしまったときに親御さんが絶対にしてはいけないNG行動があります。まず子どもを「嘘つき」というのはやめましょう。子どもは深く傷つき、それ以後親御さんに心を開いてくれなくなってしまうかもしれません。また嘘をついてしまった理由を問い詰めるのもやめたほうが賢明です。子どもは本当の理由を言うとさらに叱られるのではないかと不安を感じ、嘘を嘘でごまかそうとする恐れがあります。子どもが嘘をついたときには、それ以上嘘をつかないように教えてあげるのが最善なので、さらに嘘をつかせてしまいかねない行動は避けるべきでしょう。
加えて、すぐに謝罪を強制するもNG行動の1つです。子どもが嘘をつくと、親御さんの中には、すぐに「悪いことをしたんだから謝りなさい」という方がいます。もちろん悪いことをしたわけですから謝る必要があるのですが、すぐに謝罪を強要すると子どもは謝ればすぐ許してもらえると間違ったメッセージを受けとってしまいます。しっかりと嘘をついた目的を見極めてから、子どもが納得したうえで謝らせるのが得策です。
子どもの嘘にはケースバイケースで対処を
子どもが嘘をつくようになると、親としては動揺しすぐに正さなければならないと思うことでしょう。しかし嘘をつくという行為自体は子どもの成長過程の1つです。厳しくしかって一度に全部正そうとするのではなく、子どもが嘘をついた理由を見極めながらどのように教えていったらよいのかを見極めることが重要です。決して子どもを嘘つき呼ばわりせず、辛抱して子どもの話しを聞くようにしましょう。見逃してもよい嘘なのか、注意すべき嘘なのか、どのように注意すれば効果的なのかなど、感情的にならず冷静に分析しながら子どもの健全な成長を後押ししていく必要があるのです。