子どもの発達段階と、年齢に応じた課題を理解しておこう
「こんにちは、仕事と教育の両立をサポートする託児サービスを提供する伸芽'sクラブです。」
子どもにはいくつかの発達段階があります。
発達段階とは、子どもの身体的、精神的、さらに感情的な成長の段階のことです。
この発達段階に合わせた課題を与えていくこと、また子どもの発達段階を知ることで、
より子どもとのコミュニケーションを取りやすくなり、教育も与えやすくなります。
子どもの発達段階とは何か、
さらに年齢別の子どもの発達段階、発達段階に合わせた課題についてご紹介いたします。
子どもの発達段階についての概要
子どもの成長には個人差がありますが、おおよその流れは共通しています。
この共通の成長を発達段階と呼びます。
段階を重ねるごとに子どもは視野が広くなり、
自己の探求を深めるようになり目標、志を高くしていきます。
この発達段階に合わせて課題を与え、乗り越えさせることで、より発達に貢献し、
スムーズで健やかな成長をサポートすることができます。
反対に、発達段階に合わせた教育をしなかった、段階を重ねないまま放置してしまった場合は、
その後の発達段階にも悪影響があり、大人になってもその性格や特性に影響を与えると言われています。
子どもが心身ともに健やかに成長するためには、発達段階に応じた特徴を正確に捉え、
それに合わせた対応が求められます。
年齢別でみる子どもの発達段階
心理学者のエリクソンが提唱した「心理社会的発達理論」は、
人間の心理が周囲の人や環境に合わせて作用しているという考え方です。このなかでも子どもの発達段階は、現在でも教育機関に携わる職種の方や幼児教育、育児に勤しむ方に親しまれており、参考にされています。
人間が成長するためには自我の発達が欠かせませんが、
年齢によって自我の発達にはどのような違いがあるのか見ていきましょう。
発達段階には下記の段階がありますが、今回は教育に関係する青年期までの概要をご紹介します。
*幼児期
*幼児前期
*幼児後期
*学童期
*青年期
*成人期
*壮年期
*老年期
乳児期は基本的信頼が発達する
0歳から1歳6ヶ月くらいの時期を乳児期と呼びます。
乳児期には、信頼感が育っていきます。
生まれたばかりの赤ちゃんは親に頼らなければ生きていくことができません。
周囲の人に自分の欲求を泣いて伝えることで自分をアピールします。
このときに親や周囲の人に助けてもらい、たくさんの愛情を受けることで信頼感を高めていくことができます。
しかし、反対に泣いてもだれも助けてくれないという状況が続けば、不信感が育ち、今後の人生観や性格にも大きな悪影響がおよびます。
幼児前期は自律性が発達する
幼児前期は1歳6ヶ月から3歳くらいの時期です。
この時期には自律性が育まれていきます。
言葉を話したり歩いたりするようになり、成長が早ければ走ったり何かを拒否するような反応を起こすこともあります。これまで親や周囲にしてもらっていた着替えや排泄、食事などをどんどん自分でできるようになり自律性が養われます。
この時期になったら、子どもに食事をする方法を教えたり、排泄、着替えなどと、自分でやってみる機会を積極的に与えたりしましょう。
反対に、この時期になっても子どもに何もさせず親がすべてしているようでは、子どもの自律性は育ちません。
また、せっかくチャレンジしても失敗してしまった場合、必要以上に叱りつけると余計に子どもは萎縮してしまいます。
新しいことに挑戦しようという気持ちが弱まってしまう可能性もあります。
幼児後期は自発性が発達する
3歳から5歳くらいの時期を幼児後期と呼びます。
この時期には自発性が生まれます。
幼稚園や保育園に行く子どもも増えて、親の元以外で過ごす時間が多くなります。
すると自分から遊ぶものを見つけたり、友達に話しかけたりするようになっていきます。
自発的に何か行動を起こすようになったら、間違った方向に自発性を発揮しないように見守りつつ、しっかり子どもに反応してあげるようにしましょう。
この時期に子どもの自発性を無視して適当にあしらっていると、子どもは罪悪感を抱きやすくなります。
学童期は勤勉性が発達する
5歳から12歳くらいの時期を学童期と呼びます。
学童期では勤勉性が発達していきます。
この年齢は日本では小学校に通う時期です。
勉強をする方法や学ぶことの楽しさを発見し、自らもっと学びたいと思うようになります。
宿題をする、課題をこなすといったことも覚え、これを何度も繰り返すことで自信の獲得や自分の能力を把握していきます。
そうはいっても、すべての子どもが勉強好きな訳ではありません。
また、どんなに勉強しても得意分野と不得意分野があるのは当然のことです。
このとき、親や周囲の大人がしっかりサポートしてあげることが大切です。
わかるまで一緒に問題と向き合ったり、得意な分野をもっと伸ばしたりする工夫をしてみましょう。
点数が悪いからといって叱るだけでは、子どもが劣等感を抱くようになってしまいます。
青年期は同一性が発達する
12歳から18歳くらいまでの時期を青年期と呼びます。
この時期には同一性が発達します。
同一性とは、自分とは何者なのか、将来どうすべきなのか、自分は何をしたいのか、
何になりたいのかといったことをたくさん考えた結果確立されたアイデンティティのことです。
自分がどんな人間なのかを知り、社会とどのように関わりをもつかを考えることで、将来に関わる行動に出ることができます。
この時期をアイデンティティが確立されないまま過ごしてしまうと、
自分が何者なのか、何を目標にすればよいのかがわからず、社会のなかで自分の居場所を見つけられず、長く苦しむことになってしまいます。
子発達段階に応じた課題とは?
上記のようなエリクソンが提唱した発達段階を元に、子どもの年齢や成長に応じた課題を考えることが大切です。
*乳児期であればとにかくたくさんの愛情を与える
*幼児期であれば自分でチャレンジするチャンスを与える
*学童期であれば道徳観を教え、集団行動、社会での行動を理解させる
などです。
この発達段階に適した課題は、早すぎると子どもの自信を奪うことになり、
遅すぎるとその後の発達段階に進む際に支障が出る可能性もあります。
子どもの発達段階を理解するためには、子どもを常日頃からよく観察することが大切です。
子どもがいまどの段階にいるのか、どの課題をクリアしていけばよいのかについて
しっかり考えるようにしましょう。
子どもの発達段階や課題についての理解を深めよう
子どもの発達段階について、また発達課題についてご紹介いたしました。
子どもの成長には個人差がありますが、毎日しっかり観察していれば、いまどの段階にいるのかがなんとなく見えてきます。
その発達段階に応じた課題を課してクリアしていくことで、より自信が身につき、人として立派に成長することができます。発達段階、発達課題についての理解を深めて、適切なタイミングで子どもをサポートし、成長を見守るようにしていきましょう。